月原渉『首無館の殺人』感想 - 本格らしいガジェットたっぷりの手軽に読めるミステリー

月原渉『首無館の殺人』読み終わった。四角形のキテレツな建物の中で発生する密室首切り殺人事件の謎を解くというとてもオーソドックスな本格ミステリー。古びた洋館、空を飛ぶ生首という怪奇、幽閉された人物、もったいぶった名探偵と本格らしさがこれでも…

カレン・M・マクマナス『誰かが嘘をついている』ネタバレ感想 - 青春群像劇にミステリーの隠し味

カレン・M・マクマナス『誰かが嘘をついている』(原題:One of Us Is Lying)読み終わった。※ 完全なるネタバレが含まれるので、閲覧には注意してくださいサンディエゴの高校で居残りを言い渡された高校生の5人。居残り中に1人が何者かに殺害され、高校生4…

有栖川有栖『幽霊刑事』感想 - ミステリー作家の紡ぐ切ないラブストーリー

有栖川有栖『幽霊刑事』読み終わった。本作の冒頭は刑事の神崎が上司の経堂に「すまん!」と言われ射殺されるというシーンから始まる。須磨子との結婚を間近に控えていた神崎は、その無念さから幽霊となって蘇る。そして経堂はなぜ神崎を殺したのか、なぜ「…

笠井潔『バイバイ、エンジェル』感想 - ミステリーの皮を被った思想書

笠井潔『バイバイ、エンジェル』読み終わった。作者の笠井潔は小説家であるが、本格ミステリの著名な評論家でもある。本格探偵小説の大量死理論などが有名であるが、そういう小難しいことは、私にはよく分からない。そして、それと同時に思想家である。過去…

アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』感想 - 古風なミステリーと現代的なミステリーの融合

アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』(原題:The Magpie Murders)読み終わった。作者のアンソニー・ホロヴィッツはシャーロックホームズシリーズの公式続編を手掛けたり、007シリーズの続編も手掛けたりと、イギリスを代表するミステリー作家であ…

我孫子武丸『8の殺人』感想 - ユーモアの中にも本格推理作家としての気概を感じるデビュー作

我孫子武丸『8の殺人』読み終わった。ゲーム『かまいたちの夜』のシナリオや『殺戮にいたる病』などが有名な我孫子武丸さんだけど、私が好きなのは、ユーモアマシマシの速水三兄弟シリーズである。本作の『8の殺人』は蜂が大好きな社長の建築した8の字の建物…

沢村浩輔『海賊島の殺人』感想 - 少年漫画風海賊物語と孤島ものミステリーの合体

沢村浩輔『海賊島の殺人』読み終わった。前作の『夜の床屋』が大ヒットした沢村浩輔の長編ミステリー。文庫化によって『北半球の南十字星』から改題された。長編とは言ったものの前半と後半で少し読み口が異なる。前半は『ONE PIECE』のような少年漫画風の軽…