有栖川有栖『インド倶楽部の謎』ネタバレ感想 - 13年ぶりの国名シリーズ

有栖川有栖『インド倶楽部の謎』読み終わった。※ この感想にはネタバレが含まれていますので注意ください。火村英生が探偵として活躍する作家アリスシリーズの中でも、クイーンの国名シリーズをパロディーした国名シリーズは学生アリスシリーズと並んで、平…

新潮文庫NEX『鍵のかかった部屋 五つの密室』感想 - 糸のトリックを集めたアンソロジー

新潮文庫NEX『鍵のかかった部屋 五つの密室』読み終わった。 窓のドアの内側には中から鍵を開け閉めするためのつまみがついている(「クレセント錠」とか「サムターン」と言います)。そのつまみに紐を巻きつけて、もう一方の端を延ばして窓の周囲の換気扇と…

ポール・アルテ『第四の扉』感想 - フランスの端正な本格ミステリー

ポール・アルテ『第四の扉』読み終わった。 謎と驚異の代わりに暴力とセックスが跋扈するこの時代に背を向け、謎解きの名に値する小説を書き続けている作家。本格ミステリを守る最後の砦なのだと申し上げましょう。 これは作中に登場する作家に当てられた台…

早坂吝『メーラーデーモンの戦慄』感想 - 上木らいちシリーズのファンアイテム

早坂吝『メーラーデーモンの戦慄』読み終わった。援交探偵上木らいちシリーズの最新作。今までは、シリーズのどの巻から読んでもいいと言っていたが、この本だけは今までに出ているシリーズ*1を全て読破してから読むべきだろう。過去作に出た登場人物などが…

佐藤究『QJKJQ』感想 - 殺人を通して人間を描く試みは成功しているのか?

佐藤究『QJKJQ』読み終わった。猟奇殺人鬼の一家に生まれた少女が、あるきっかけから世界の見方を一変させられ、殺人、そしてそれを通して人間を描いていくミステリーである。第62回江戸川乱歩賞受賞作。有栖川有栖と今野敏が激賞した。最近の江戸川乱歩賞に…

米澤穂信『王とサーカス』感想 - ジャーナリストの本懐

米澤穂信『王とサーカス』読み終わった。『王とサーカス』は太刀洗万智シリーズ(正式名はベルーフシリーズ)の長編ミステリーである。ユーゴスラヴィアからきた少女との経験(『さよなら妖精』)からジャーナリストとなった太刀洗万智が、ネパールのカトマ…

木元哉多『閻魔堂沙羅の推理奇譚 業火のワイダニット』感想 - 沙羅シリーズ第3弾

木元哉多『閻魔堂沙羅の推理奇譚 業火のワイダニット』読み終わった。死後の世界で、自分が殺された理由など生前に起きた謎を解明して正解すれば生き返ることができるという『閻魔堂沙羅』シリーズの第3弾。毎シーズン刊行されており刊行ペースが早く、現在5…