石持浅海『二千回の殺人』感想 - 商業施設でのテロを題材にしたクライムサスペンス

石持浅海『二千回の殺人』読み終わった。※ 少しだけネタバレを含むので注意。しかしミステリーではないので、記事を読んでも小説の価値は失われないものと思う。文庫化によって改題されているので注意。原題は『凪の司祭』。石持浅海と言えば、特殊環境にお…

P・G・ウッドハウス『ジーヴスの事件簿 才智縦横の巻』感想 - 皇后美智子様がおすすめする英国ユーモア小説

P・G・ウッドハウス『ジーヴスの事件簿 才智縦横の巻』読み終わった。皇后美智子様の84歳のお誕生日のお言葉で、天皇陛下の退位後に何をするかと尋ねられ、答えられたのが探偵小説を読むこと、そしてジーヴスシリーズを読むことだった。 公務を離れたら何か…

北山猛邦『千年図書館』ネタバレ感想 - 優しくて切ないミステリー短編集

北山猛邦『千年図書館』読み終わった。※ 完全なネタバレを含むので注意してください『私たちが星座を盗んだ理由』の続編とも言うべき短編集。前作と同様に、最後の数ページで物語の見方が一変するような仕掛けが施されており、その余韻が読み終わった後に強…

蒼井碧『オーパーツ 死を招く至宝』感想 - ダブル名探偵【このミス大賞受賞作】

蒼井碧『オーパーツ 死を招く至宝』読み終わった。本作は第16回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞している。このミス大賞は、本格ミステリーが大賞を取ることはあまりなく、ミステリーというよりも物語の面白さを重視しているみたいだから最近は避けて…

北山猛邦『私たちが星座を盗んだ理由』感想 - ブラックな結末へと反転する鮮やかさ

北山猛邦『私たちが星座を盗んだ理由』読み終わった。短編集。どの短編も、ラストの数行で今までの物語が一転するというカタルシスが味わえる。私が、一番好きなのは『妖精の学校』で、ファンタジーのような世界観が最後の一行で否応なしに現実に飛ばされる…

木元哉多『閻魔堂沙羅の推理奇譚 点と線の推理ゲーム』ネタバレ感想 - 刊行が早すぎるシリーズ第4弾

木元哉多『閻魔堂沙羅の推理奇譚 点と線の推理ゲーム』読み終わった。死んだ後に自分の死因を推理して正解すれば閻魔堂沙羅に生き返らせてもらえるというミステリーの第4作目。毎シーズンのように新刊が発売されているこのシリーズ。正直刊行スピードが早す…

井上真偽『恋と禁忌の述語論理』ネタバレ感想・解説 - 記号論理学をテーマにした本格理系ミステリー

井上真偽『恋と禁忌の述語論理(プレディケット)』読み終わった。『その可能性はすでに考えた』の井上真偽のメフィスト賞受賞デビュー作で、今回文庫化になった。本書は、数理論理学(記号論理学)をテーマにした本格ミステリである。いやテーマにしたとい…