井上真偽『探偵が早すぎる(上)』感想

井上真偽『探偵が早すぎる(上)』読み終わった。

 

犯人が事件を起こす前に探偵が犯人を捕まえるという趣向の連作短編集。読者には犯人がわかっていて、探偵がそれを追い詰めるプロセスを楽しむ倒叙ものなのですが、いかんせん犯行が行われてないので犯人を指摘するまでの論理プロセスはすっ飛ばされている。したがってミステリ要素は薄めだし、コンゲームというわけでもない。

 

ただキャラクターは立っているので軽めのラノベミステリとして読めば楽しめる。文体もコミカルで読みやすいが、犯行計画自体はかなり残酷だし、探偵も犯人に仕返しするのでちょっとと思う人もいるかもしれない。

上巻は下巻の怒涛の展開を煽るように幕を閉じる。最終的に何か大仕掛けがあるんじゃないかと期待している。

下巻の感想は以下からどうぞ。

 

犯人が前もって犯行計画を読むというミステリには石持浅海さんの碓氷由佳シリーズの『君の望む死に方』があり、私の好きなシリーズでもある。こちらはミステリ要素が強く、サスペンスのような緊張感のある展開が魅力だ。

 

探偵が早すぎる (上) (講談社タイガ)

探偵が早すぎる (上) (講談社タイガ)

 
君の望む死に方 (祥伝社文庫)

君の望む死に方 (祥伝社文庫)

 

 父の死により莫大な資産を相続した女子高生の一華。その遺産を狙い、一族は彼女を事故に見せかけ殺害しようと試みる。一華が唯一信頼する使用人の橋田は、命を救うためにある人物を雇った。それは事件が起こる前にトリックを看破、犯人(未遂)を特定してしまう究極の探偵!完全犯罪かと思われた計画はなぜ露見した!?史上最速で事件を解決、探偵が「人を殺させない」ミステリ誕生!